About Wines (2016 vintage)
Atamai Village Sauvignon Blanc 2016
ソーヴィニヨン・ブランらしいフレッシュな香りを引き立てるよう徹底してクリーンな発酵を心がけました。明るい萌黄色、グラスに顔を向けた途端、シトラス系のグレープフルーツのような香りに包まれます。ドライスタイルですが、ほのかな甘味とともに、心地よい酸がじんわりとこみ上げてきます。2015年よりスリムな印象ですが、酸と香りの余韻が長く残ります。
2016年のソーヴィニヨン・ブランは2種類となりました。まずは、ステレスタンクのみを使用したクリーンで香り豊かなタイプのソーヴィニヨンのリリース。例年好評の「ファンキーバッチ」は「ファンキーソーヴィニヨン・ブラン」として2017年1月頃にリリース予定です。
アルコール度数 12.5%
残糖 6g/L
Atamai Village Funky Sauvignon Blanc 2016
ほのかな樽香で始まり、爽やかさとクリーミーさを絶妙なバランスで兼ね備えたソーヴィニヨンブラン。しっかりとしたボディにアタマイの特徴であるきれいな酸もきちんと残った辛口タイプ。アタマイヴィンヤードに植えられているソーヴィニヨンブランのうち、ほとんど手をかけない「ワイルドブロック」から収穫されたブドウを用いて仕込みました。ファーストヴィンテージから取り組んでいる「ファンキー発酵」させたソーヴィニヨンブランのみで作られたワインです。100%樽発酵、100%マロラクティック発酵、100%樽熟成。10ヶ月の樽熟成を経て、2017年1月に瓶詰めしました。ソーヴィニヨンブランらしい爽やかな香りを全面に押し出すのではなく、ファンキー発酵や樽熟成による香りや味の複雑味を表現したワインです。
アルコール度数 13.0%
残糖 <0.5g/L
Atamai Village Pinot Gris 2016
明るいゴールド色。果実香というよりは酵母の香りや吟醸香が特徴です。マセレーションを行わなかったことにより、苦味は抑えられ軽めのフィニッシュですが、土の香りや日本酒のニュアンスの要素を強く感じるスタイルです。
2016年のピノ・グリはステンレス発酵。過去2ビンテージとは異なり、全房プレス後にマセレーションすることなく発酵させました。果実感を活かしながら、より酵母の香りを強調したワイン造りとなりました。
アルコール度数 12.6%
残糖 11g/L
Atamai Village Dry Riesling 2016
透明感のある淡黄色。非常にフローラルで華やかな香り。特にゆりのような香りが長く残ります。例年通り、細身のスタイルでシャープですが、酸の余韻は口の中に長くとどまり、奥行きやしっかりとしたストラクチャーを感じさせます。
過去2ビンテージと同様、アタマイの土壌、微気候から生み出される酸、アロマを全面に押し出したスタイル。全房プレス後にステンレスタンクで発酵に入り、低温発酵かつ澱からの抽出を意識し、華やかなアロマを持つリースリングに仕上げました。
アルコール度数 11.8%
残糖 5g/L
Atamai Village Traditional Riesling 2016
アタマイの中でももっとも標高の高いブロックから収穫されたリースリングを用い、伝統的な甘みを残したスタイルのリースリングに仕上げました。透明感のある見た目からは、意外感があるほどの豊かな香り。口に含んだ瞬間芳醇な甘みに包まれます。アタマイワインの特徴である、しっかりとした酸が活かされているため、50gという残糖をあまり感じさせません。時間とともにゆっくりと開いていくので、温度変化、酸素との交わりを通じて、時間をかけて楽しむワインです。
アルコール度数 9.8%
残糖 50g/L
Green Songs Wapara
Barrel-aged Pinot Gris 2016
コウヘイが基本を叩き込まれたニュージーランドにおけるワイン造りの故郷、ワイパラバレーの平地側、Gravels(砂利)土壌で栽培されたピノグリを使用。
ステンレスタンクでの発酵・熟成の後、熟成の最終局面で3ヶ月ほど樽熟成(マロラクティック発酵はなし)させました。アタマイのピノグリよりドライな仕上がり。ワイパラのピノグリの特徴でもある、やや丸みのある酸が楽しめます。残糖は5gでオフドライタイプ。
アルコール度数 13.5%
残糖 5g/L
Green Songs Nelson Chardonnay 2016
モウテレ・クレイとして知られるネルソン郊外の重粘土質の土壌で栽培されたシャルドネを用いたワイン。ステンレスタンクでの発酵の後、フレンチ樽で10ヶ月熟成(100%マロラクティック発酵)させました。古樽のみを用いることで、ほのかな樽香に留めてフレッシュさを活かした辛口のシャルドネです。粘土質という土壌のため、ネルソンらしいキリッとした酸の中に、まろやかさが感じられます。
アルコール度数 13.5%
残糖 2g/L
About Label
ワインのラベルは、家族の協力で出来上がりました。妻クニコと弟ジュンがデザインをしています。色彩はブドウ品種の持つ特徴的な色を表現しています。ソーヴィニヨンブラン(萌黄色)、ピノ・グリ(すみれ色)、リースリング(山吹色)の3種類です。背景にある模様は「コウヘイ」の家紋である「二つ巴」が形取られています。「二つ巴」の中には、このワインが生み出されるアタマイ・パーマカルチャーエコビレッジを構成する各要素が散りばめられています。「二つ巴」からは、東洋的な「陰陽」が連想され、このワインを取り巻く月と太陽、動物と植物、気候と土壌とのつながりを大事にしながら、持続性循環性の高いワインづくりを行っていきたいという思いが込められています。

Vintage Report 2016
<全体のテーマ>
過去2ヴィンテージで好評だった日本人の味覚にあう繊細さと旨味を生かしつつ、3度目となる2016年のワイン造りのテーマは「ブドウ畑とワイナリー」でした。ぶどう畑で手塩にかけたブドウがワイン造りの過程でどのような表情を見せるかを表現してみようと思いました。結果としてソーヴィニヨン・ブラン2種、リースリング2種、ピノ・グリの計5種類のワインを仕込みました。
<天候とブドウの様子>
2016年のブドウ成長期で大きな出来事は、ブドウ成熟期の2度にわたる大雨でした。一晩で100ミリの雨が2度も成熟期のぶどう畑に降り注ぎました。アタマイビレッジの急斜面という立地のおかげで、ほとんどの雨は斜面を駆け下り、川へと流れていきました。雨の影響を考慮し、ブドウの病気対策としてリーフプラッキング(除葉)を数日間集中的にいましたが、成熟期の雨は、ブドウの登熟を遅らせることとなりました。
糖度の増加はとてもゆっくりとなり、収獲のタイミングが例年より遅くなりましたが、糖度が低い状態でブドウにフレーバーをしっかりのせることができました。
<収量>
ニュージーランド全体で今年は2015年より約3割ほどの収量増です。アタマイビレッジでも成熟期の雨のおかげもあり、過去最高の収量を記録。合計12トン強の収量となりました。
収穫日
2016年3月28日 曇り時々小雨☁︎ Pinot Gris
2016年4月10日 快晴☀︎ Sauvignon Blanc
2016年4月13日 快晴☀︎ Riesling

